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てんてん転校生

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9.11と愛国心とアイデンティティ

9.11
私たちはアメリカ南部におりました
その頃には
ラジオやテレビも少しは理解できるようになっていたので
テレビを観る時間が増えていました
ツインタワーに飛行機が突っ込むのを見たとき
映画?と思った
なぜこんなことが起こったのか?
想定外の出来事でした
多くの人の命が失われたという事実に
私にも祈りたい気持ちや
周囲の人を慰めたい気持ちがありました
それでも
日本は関係ない
自分のことじゃない
という気持ちもあったかも知れません
そんな中
各家で半旗を揚げよう
という放送がありました
ここで
私は考えてしまったのです
日本人の私たちがアメリカの国旗を揚げるか?
アメリカに住んでいるけど
移民じゃなく駐在しているだけで・・・
じゃ
日本の国旗を揚げるか?
日本の国旗なんて持ってきてないけど・・・
日本の国旗を揚げるってどんな意味になっちゃうんだろう?
何もしないのが無難だな~
って
考えている間に午後になり
お子たちが帰って来ると
息子くんが
独立記念日に配られた小さな星条旗を
芝生のど真ん中にグサッと刺して
満足げに笑っていました
お子ちゃまって単純だな~
素直だな~
近所の家では屋根に大きな星条旗を張ったりしていました
どこで売っているんだろう?
各家にあるものなの?
日本の国旗って
日本でどこに売っているのかな?
なんて考えましたね
アメリカ人に聞くと
持っていない人はホームセンターとかに走ったそうです
それでも売り切れで
葬儀屋さんに行くとまだ手に入るわよ
って
いや、買わないけど・・・
そして改めて思うのです
アメリカの現地校では
毎朝のように国旗掲揚があります
それはあまり気にしていなかったのです
また
それまで知らなかったのですが
左胸に手を当て
国家への忠誠を誓う言葉をみんなで言うんですね
日本人のうちのお子たちも同じようにやっているのです
君が代は覚えていないのに。。。
郷に入っては郷に従え
便宜上のこと

流していました
あえて一人だけ参加しないというのも
棘があるというか・・・
よく考えていなかったのです

9.11に直面することになったのです
複雑でした
私は君が代に嫌悪感なく育ちました
小学校のとき
君が代はあなたの生きる時代のことです
と習ったものですから
輝ける未来を祈る歌だと思っていて
天皇や戦争が絡んで
拒否する人がいるを知っても
実感はなく
かといって日本日本と愛国心があるわけでもなく

どうでもいいや~で過ごしてきたと思います
でもアメリカに住んでいると
帰る場所として日本があり
自分は日本人
アメリカ人じゃない
あなたたちとは違う

どこかで意識しているのです
日本や国旗や国歌を無くしては
自分たちの存在自体がなくなるような気がしてしまうのです
星条旗をニコニコしながら振るお子たちに
こんなに複雑な思いになるとは思いもしませんでした

つづく・・・
# by cosi-e-cosi | 2011-09-11 11:27

英語コンプレックス

今頃ですが・・・
ティムがこう言ったとか、アンドレアが話してくれたって書いていますが
当時は話半分くらいしか分かっていなかったと思うし
間違って解釈していたり
自分に良いように受け取っていると思います
私の英語力は日本国内レベルでもたいしたことなく
アメリカにおいては話せないわけです
日本では中学と高校6年間の英語教育があるんだろう?

アメリカ人が言うので
うちの田舎じゃ英語の授業はなかった
などと言い張ったものです
それでも
新聞の勧誘やいろいろなサービスの電話勧誘など
かかってくると
ジュリアは
I'm Italian. I can't speak English.
と流暢な英語で断るんだが
コンプレックスを抱え込んでいるときの私は
なかなかI can't speak English.と言えない
何とかしよう・・・と思ってしまうのです。
今から考えると、ちょっとカワイイ私。。。
アメリカで生活していると
だんだん英語が出来なくて何が悪い!
私はアメリカ人じゃないんだよ~

開きなおってしまいました
アメリカ国籍なのに英語がひと言も話せない人もいるんだ
なのに相当エラそうにしているのだから
でも
ジュリアやティム、アンドレアに優しくしてもらっていると
何とか感謝の気持ちを伝えたいと
強く思うのです
そしてふと気が付きます
それにしても
日本人の英語コンプレックスはひどい
現地で日本人親子に会うと
ESL(母国語が英語じゃない人の為の英語クラス)から外れたかどうか
という会話になる
帰国しても
みな英語がどれくらいデキルか聞きたがる
何を感じ
何を学んだか
聞きたがる人はいないのです
英語のことしか聞かれません
そしてふと思うのです
英語ができるできないは
知識の問題ではなく
能力の問題ではなく
性格
そして
話したいことがあるか
話すだけの考えを持っているかです
アメリカ人はよく
What do you think? って話しかけます
日本人はたいてい
知ってる?って話しかけます
そこでもう話す内容が違っているのです
だから
英語が分からないことより先に
話す内容がない
そして
ほかの民族は多くのことを望む
あれが欲しい
これしてくれない!
不公平だ
差別だ~!
日本人はつつましやかです
欲求をがなり立てない
はしたなく欲しがらない
だから損をすると日本人は思いがちです
確かに
なめられたり
損をすることもあるけれど
日本人は穏やかで品が良いと思われる
私はその方が良いです
でも
英語はただの道具、されど道具
使わなければ、用事が終わらないわけで
私の手抜きなキャラは手抜きな英会話を選択するのです
息子くんを真似しました
相手が一番強く言った言葉をリピートする
です
一番強く言う単語が相手の一番言いたいこと
大事と思っていることです
例えば
だ~っと長く教育について語ったらしい最後に
Mothers have hectic days.
(母親の毎日っててんてこ舞いよね)
と話されて
Hectic!
強く復唱すると同意の意が伝わります
そうよね~って
強く語尾を上げると反対の意になり
そうかしらって
私は
弱弱しく語尾を上げるので
その単語が分からないんだと思って
もっと簡単な英語で説明してくれました
それだけでコミュニケーションが成り立つし
私が考えを述べられなくても
相手は会話できたと感じてくれます
こちらも
新しい単語を覚えます
私はスペリングまで教えてもらいました
メモっておけば忘れないし
後で調べられます
そして
すごく熱心だという印象を持ってもらえます
小賢しいテクニックと言えばテクニックですが
私はこのやり方を「気持ち」と呼んでいます
好意的であるというのを「気持ち」だけお届けするのです
相手も「気持ち」だけ受け取ってくれるのです
そんな私を見て
周囲の日本人は
英語が得意なんですねって
ふぅ。。。

つづく・・・
# by cosi-e-cosi | 2011-09-10 11:11

馬の骨の感謝

ここまで書いてみて思う
パパさんはあまり登場しませんね
そう
パパさんはいつも仕事に行っています
出張が多いため
月の半分から2/3は出かけています
母子3人生活です
支障・不都合・問題ばかりで
ひとりで対応しなければならないと
家族でここへ来た意味はあるのかな?
と思いました
特に
日本へ出張なんてときは
本当に割り切れません
アメリカは広大で
同じ国内でも時差もあります
仕事中には携帯電話がつながらないことも多いのです
母が何とかしなければなりません
同じ会社の方々に聞いても
大勢いるわけではないし
家族構成や年齢が違い
同じ経験をしていないと
分かり合えません
そしてみんなが不慣れでした
そして
パパさんは研究所の技術者
本社からの方々とうまくできる方じゃいということもあって
とにかく頼れる人がいない
人生で最高に孤独かも~
と思いました
結婚してから
実家を離れ
どんどん遠くへ
そして
てんてん・・・
助けてくれるのは他人の皆様
私の両親のことや
親の仕事のこと
出身校
育ち
何も知らない他人の方々
日本国内では
パパさんの会社名や出身校
そういったものが名刺代わりになったりします
とりあえずの身元保証
それが
海外に行くと
日本の学歴・肩書は何の役にも立ちません
どの地区のどの程度の家に住むか
それくらいしかない
アジアのどこかの「馬の骨」
不審者ではないが
よく分からないヤツ等という位置からスタートするんだ
会社が良い地区に良さ気に見える家を用意してくれたので
あとはもう
自分自身を見てもらうしかない
素の自分の力しか使えない
それってもう
生まれながらの性格と親が教えてくれたことくらい
そう思いました
ひとりで悪戦苦闘していると
そして
ひとりでがんばっていると
必ず人は見ていてくれるんだな~って思います
ひとりでがんばっているからこそ
気にしてくれるんじゃないかと思います
親が出入りしていたり
誰かとつるんでいたりすると
出しゃばらなくても・・・となるのでしょう
家の修理をしているティムも
最初はアメリカ人のように(アメリカ人なんだが)時間にルーズで
午前中に
と自分で言ったくせに
私がお子たちを学校に迎えに行っている間に来て
君は時間を無駄にした
なんて言っていた
私は子供の送り迎えもあるし
買い物だってあるし
子供の勉強だってみるし
決めた時間通りじゃないと予定が立たないし
困るわよ~!

無茶苦茶な英語で説明したら
いろいろ質問してくれて
それからは
きちっと時間通りに来てくれるようになった
パパさんが出張気味で
ひとりでがんばっているのも分かると
男がやって来て、遅くまで作業しているのは気味が悪いだろう

彼女のアンドレアを連れて来てくれた
そういう気遣いって
とても嬉しかった
アンドレアは
ティムの仕事で散らかったところを掃除してくれたり
ものの名前や言い回しなど英語も教えてくれ
テニスのコーチをしている彼女は
レッスンでの笑い話で笑わせてくれる
そして二人で
あなたは本当によく頑張っている
くじけないし
明るいし
賢いママだよ
と勇気づけてくれる

「明るい」はこっちの勝手な訳で
easygoingって言われたんだけれどね
小さい時から皆に言われてました
「自分」が通じるのが嬉しい
お気楽な自分もひとつの力
素直にって育てられた自分の武器
自分ひとりの力なんて小さなものだけど
親に感謝しました
問題がスムーズに解決することにはなりませんが
頑張る自信と勇気をもらいました

つづく・・・
# by cosi-e-cosi | 2011-09-08 23:47

金食い虫の家

金食い虫の家_c0199869_23595535.jpg


会社が用意してくれた家は
申し訳ないが
見かけは立派だけれど
ひどい家でした
購入した時点で失敗だったのか
メンテナンスを怠っていたかでしょうね
住み始めてすぐに
ドアが壊れました
閉まらなくなったのです
パパさんはアメリカ国内で出張中
越したばかりで
知り合いもいない
管理人はいない
会社のものだけど
所有しているだけ
結局
最初のtutor・ジュリアに電話して
ドアをすぐに修理してくれる人を見つけて~って頼みました
ドアを開けっ放しで
しかもアメリカで
母と子たちだけで寝る勇気はないもの
ジュリアはほどなく、知り合いを連れて駆けつけてくれた
それが、その後ずっと修理に来てくれたティムです
まず
ドアと枠が合っていない
傾いているのです
何とか修理してもらいましたが
その後すぐに電気系統が故障しました
設計自体が不良だって言っていました
その後がトイレの排水管
キッチンの排水管も・・・
お子たちは今でも「ボロのお家」って呼んでいます
息子くんは
ティムが来るのを楽しみにしていました
たくさんの工具を見せてもらって
いろいろ教えてもらっていました
ずっとティムの後をついて回って
じっと見ていました
それから
事件です
夏休みに入って
日本から遊びに来た友達が
芝刈りを手伝ってくれているとき
蜂に刺されました
はじめ
何が起こっているのかわかりませんでした
家に飲み物をとりに入ったところだったので
外の音が聞こえず
痛くて飛び上がっている友達が踊っているかのように見えました
ground beeといって土の中に巣をつくる凶暴な蜂です
お助けマン・ティムがガソリンで火をつけて
巣を燃やして退治してくれました
ついでにfire antという、刺されたら痛いアリの巣も・・・
そのとき
ティムが言ったのです
The Money Pitという映画を知っているか?
知らないなら、すぐに見ろ
って
すぐにレンタルビデオ店の会員になり
借りて観ましたよ
邦題も同じですかね?
money pit
金食い虫
途方もなくお金がかかるという意味です
驚きです!!
壊れていく順番が全く同じでした
自分たちも同じ状態なのに
大爆笑でした
後は
階段が壊れて、夫婦仲が壊れる
そのふたつを残すだけ
そんな段階まで行っていました
早く引っ越した方が良いよ!
って

階段と夫婦仲は壊れずに済みました
そして
修理の間に
ティムと彼の恋人アンドレアが誰よりも強い味方になってくれました

つづく・・・
# by cosi-e-cosi | 2011-09-07 16:04

名前のこだわり #2

名前にこだわったわけではなかったんですが
まず
パスポート
所持人自署というのがあって
サインします
そこに漢字で署名したんです
何の疑問もなく

アメリカで銀行に行き
個人小切手が使えるように
手続します
このとき
身分証明にパスポートを持って行きました

サインをするとき
どうしよう?ってことになって

パスポートと揃えた方が良いかなと思ったのです
漢字でサイン
よく考えると
パスポートよりVisaかも・・・
たぶん
日本が発行したものより
アメリカが発行したものの方が優先的でしょうね
Visaにサインはしていないけど
表記はアルファベットですから
アルファベットで良かったんじゃないかな?
でも
誰も注意も指摘もなかったわけで
どちらでも良いはずですね
読めやしないようなサインと大差ないと思うし
それでも
心象でしょうかね
南部だからでしょうかね(北部の人は必ずそう言います)
支店によっては
漢字でサインしたチェックを換金してくれないのです
私はサインするだけで
実際、その面倒にあったのは
tutorをしてくれた先生
money pitな家(また後日説明します)を修理してくれた人
です
彼らは文句ひとつ言わず
気遣ってくれました
銀行の窓口で
日本から来て悪戦苦闘しているママなんだと説明したら
換金してくれるようになり
その後は
日本のママはその後元気?
と聞いてくれるし
頑張ってって言ってたよ
と伝言してくれたり
ちょっとした温かいふれあいにしてくれました
うっかり「名前のこだわり」のおかげです
さて
国際免許は数か月しか使えないので
州の試験を受けて
運転免許証を取りました
免許証にもサインをするのですが
漢字を書けるほどのスペースがないのと
アメリカ人にも分かるようにサインしろと言われることが続いていたので
アルファベットでサインしたわけです
う~ん
強い「名前のこだわり」はないけれど
貫けばよかった

揃えれば良かった
田舎の方で現金を出そうとすると
身分証を見せろと言われ
免許証を見せたら
銀行で使うサインと免許証のサインが違うからって
現金が出せなかった。。。
こだわらなくてもいいから
統一しなければいけない
人生の哲学を感じる失敗でした

つづく・・・
# by cosi-e-cosi | 2011-09-06 09:38